特定技能人材を受け入れる企業には、外国人材への支援業務を行うことが義務付けられています。外部に委託せず、自社で実施いただくことも可能です。
しかし、初めて外国人材を採用する会社が自社で実施するのは大変です。JTSは支援サービスも行ってるので、安心してお任せいただけます。
特定技能とは
特定技能とは、人材確保が困難な分野の人材不足を解決するために、令和元年4月に創設された在留資格です。
特定技能の在留資格を持つ外国人は、建設や宿泊など12職種の労働力不足が深刻な現場の即戦力として働くことが可能です。
特定技能外国人の数は年々増加傾向にあり、「主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数(令和5年12月末現在)」によると、特定技能1号の在留資格を持つ外国人労働者数が最も多いのはベトナムの110,628人で53.1%を占めています。
2番目に多いのは16.4%を占めるインドネシアで、労働者数は34,253人です。その次にフィリピン(21,364人:10.3%)、中国(13,456人:6.5%)が続きます。
特定技能外国人を企業が受け入れる5つのメリット
特定技能外国人を企業が受け入れることによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットは次の5点です。
メリット1:職場の活性化
特定技能外国人の中には、自身の技能や技術を活かすべく高い志をもっている人材が数多くいます。熱心かつ意欲的に業務へと従事する姿は、既存の従業員にとって良い刺激になるでしょう。
実際、国土交通省が宿泊事業者を対象に実施したアンケート調査結果(※)によれば、特定技能外国人を受け入れた企業の多くが外国人材の真面目な仕事ぶりに好印象をもっています。 こうした人材を積極的に受け入れることによって、職場全体の活性化につながるでしょう。
メリット2:人材確保
特定技能外国人(特定技能1号)の受け入れ期間は最長5年と定められているものの、継続的に外国人材を受け入れていくことによって人材確保の有力な手段となり得ます。近年、企業の採用活動は難度が増しており、求人を出しても応募が集まらない、求める技能・技術をもつ人材が確保できないといった状況に陥っている企業は少なくありません。
一定の技能・技術を有する特定技能外国人は、こうした課題の解決策となるでしょう。人材確保の有力な手段が増えることは、企業にとって大きなメリットといえます。
メリット3:人件費の抑制
特定技能制度は人材を低い賃金で雇用する趣旨の制度ではなく、日本人の従業員と同水準以上の賃金を支払うことが義務づけられています。しかしながら、派遣社員を採用する場合や求人広告費を投入し続ける場合と比べると、総合的に見て人件費や採用コストを抑制できる可能性が高いでしょう。
特定技能外国人は一定水準の技能・技術を満たしているため、自社が求める技能要件を満たす人材を適切に配置するという意味でも合理性があります。日本人の従業員を採用した場合、技能要件の面でミスマッチが生じるリスクがあることを踏まえると、人件費を合理的に活用できる採用手段ともいえるのです。
メリット4:作業工程の見直し
特定技能外国人を受け入れるにあたって、自社の作業工程を整理したり、必要に応じて見直したりする必要があります。一見すると手間がかかる作業ですが、これまで慣習的に続けられてきた業務の進め方をあらためて客観視することにより、合理化や効率化を図るきっかけになるでしょう。
属人的になりがちだった業務の手順を可視化したり、マニュアル化して共有できる状態にしたりすることを通じて、既存の従業員にとっても仕事を進めやすくなる可能性があります。作業工程を見直すきっかけになることは、外国人材を受け入れるメリットの1つといえるでしょう。
メリット5:海外進出の契機となることも
特定技能外国人の受け入れを機に、送り出し国との間に交流が生まれる可能性があります。定期的に情報交換をしたり、現地の状況を把握する手段が確保されたりすることによって、将来的に海外進出を検討するきっかけとなることも十分に考えられるでしょう。
国内の人口が減少に転じている昨今、海外にビジネスチャンスを見いだす企業も多くなっています。海外への事業展開を予定している企業や、今後検討する見込みのある企業にとっては、現地とのパイプづくりに役立つ可能性があるため、特定技能外国人を受け入れることはメリットの1つといえます。
特定技能で就労可能な14業種
特定技能は1号・2号の2種類がある
在留資格「特定技能」には、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類がありますので、以下に紹介します。
特定技能1号
特定技能1号は、特定産業分野に属する知識または経験に必要なレベルの技能を習得して、業務に従事する外国人向けの在留資格です。 技能レベルをはかるための試験があり、対象は上記で紹介した12業種で、在留期間の上限は5年となっています。
特定技能2号
特定技能2号は、特定技能1号を修了したあとに移行することが可能で、特定産業分野で熟練した技能を必要とする業務に従事する外国人向けの在留資格です。 現在は「建設業」「造船・船舶工業」の2分野のみで、許可された実績はなく、2022年度中に分野が増設される予定です。 特定技能2号の場合は在留期間に上限がなく、要件を満たすことで家族帯同もできます。
登録支援機関を活用して支援計画の作成・実施
特定技能外国人を雇用する企業は、入管法上では「特定技能所属機関(受入機関)」と呼ばれ、業種別に設けられた協議会に加盟することが義務です。 また、法令遵守や支援できる能力・体制を有するなど、特定技能所属機関となるための要件や基準が定められています。 たとえば、特定技能所属機関は特定技能外国人に対し、住居の契約時に連帯保証人となるなど複数の支援が義務づけられているのです。 ただし、受け入れる企業はこの支援業務を登録支援機関に委託することができます。
登録支援機関とは、特定技能外国人を受け入れる企業の代わりに支援計画を作成するなど、特定技能外国人と特定技能所属機関の活動を安定的で円滑に行なうことを支援する機関です。 つまり、登録支援機関に委託すると支援業務を自社で行う必要がないため、企業が登録支援機関に支援を委託しているケースが多いです。 登録支援機関を選ぶ際は、支援内容だけでなく、外国人材が定着するための独自の支援サービスも行っている企業がありますので、確認してみるといいでしょう。
特定技能外国人を採用する方法
特定技能外国人を採用する代表的なパターンを下記に3つ紹介していきます。
「技能実習」から在留資格「特定技能」に移行する
「技能実習」から在留資格「特定技能」への変更ができるため、技能実習生に移行手続きをさせることで可能です。
在留資格「留学」から「特定技能」に切り替えて採用する
留学生は「技術・人文知識・国際業務」への変更を考える方が多い傾向にありますが、取得には学歴などとの関連性が必要なため、変更が難しい場合があります。 その点、特定技能は学歴などとの関連性は求められないので、取得しやすいといえるでしょう。
海外現地から外国人を採用
海外から特定技能外国人を受け入れるためには、在留資格認定証明書交付手続や査証発給手続などの日本側の手続きが必要です。
これに加え、送出し国側でも一定の手続きが必要となり、国によってその内容が異なります。