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「ベトナムのEV王」が充電ステーション事業に参入、10万基設置へ

ベトナムで最も裕福な人物であるファム・ニャット・ブオンが率いる複合企業、ビングループ系列のV-Green(Vグリーン)は、エジプトの財閥Prime Group(プライムグループ)と提携し、今後3年間でインドネシアに電気自動車(EV)向けの充電ステーション10万基を設置する計画を発表した。このプロジェクトの総投資額は最大12億ドル(約1820億円)に達すると見込まれている。

両社は当初、ジャカルタ、スラバヤ、バリ島およびその周辺地域で充電ステーションを設置し、その後インドネシア全土への拡大を目指す計画だ。Vグリーンは、今年3月にビングループ傘下のEVメーカーであるビンファストから充電設備の開発事業を切り離して独立した。

VグリーンのCEOを務めるグエン・タイン・ズオンは声明で、「当社は、中東のパートナーとの戦略的提携によって、EV充電ネットワークをグローバルに拡大するための新たな機会を得られる」と述べている。

同社は、来年1月からインドネシアでの充電ステーションの設置を開始する予定で、一部のステーションは年内の稼働を目指している。プライムグループは、このプロジェクトの資金調達を担当し、Vグリーンは、市場調査や立地の選定、建設および管理を担当し、インドネシアで増加するEVユーザーの需要に対応する。

プライムグループ会長のタメル・ワギー・サレムは、声明の中で「当社は、Vグリーンとの提携により、インドネシアや中東、ヨーロッパ、英国、米国への展開を視野に入れたさらなるグローバルな機会を探求していく」と語った。

ビングループとEVメーカーのビンファストの支配株主であるファムは、Vグリーンの90%の株式を直接保有している。Vグリーンは、ベトナムの自動車業界がEVへ移行するのを加速させつつ、ビンファストが米国やインド、インドネシアでの新たな工場の建設および世界の販売拡大に集中できるよう支援する目的で設立された。

フォーブスはファムの保有資産を41億ドル(約6260億円)と見積もっている。1993年にウクライナでインスタントラーメンの製造・販売会社を立ち上げたファムは、2010年に同社をネスレに売却した際の資金を用いてビングループを設立した。同グループは現在、不動産や小売、ヘルスケア、自動車の製造などを手掛けるベトナム最大の複合企業となっている。

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